2019年に規制されたスマートドラッグの成分一覧

スマートドラッグ一部商品の個人輸入を規制

厚生労働省は、2019年に脳機能の向上を謳ったスマートドラッグ(スマドラ)個人輸入商品を一部規制すると発表し、海外で販売されている医薬品などについては数量に関係なく、薬監証明の交付をあらかじめ受けない限り一般個人への輸入は認められなくなりました。2019年1月1日より実施。(※海外入国者が自己の治療のために国内に携帯して治療する場合は除く)

今回はその規制された医薬品の成分と、代替になるであろう成分について紹介します。

厚生労働省の規制成分一覧と代替候補成分

厚生労働省より規制対象となる商品成分の一覧は下記のとおりです。

アテノロール

アテノールは、交感神経のβ1受容体を遮る作用をもつ成分です。
このβ1受容体を遮ることによって心筋が収縮するのを防いだり、心拍数が減少することをおさえます。

どんな症状に使われる薬か?
テノーミンなど本態性高血圧症や狭心症、頻脈性不整脈などの症状を緩和する治療薬として主に使用されていました。

考えられる代替成分
  • コリン
    コリンは、脳や循環器系の機能と細胞を修復するのに重要な役割を持っています。
  • 5HTP
    リラックス時や睡眠時に脳内で分泌されているセロトニンやメラトニンの材料でストレスやうつ症状に悩まされている人に効果が見込まれます。

アトモキセチン

アトモキセチンは、神経伝達物質であるノルアドレナリンの再取り込みを阻害して注意力や集中力を高める薬の成分の一種です。

どんな症状に使われる薬か?
ストラテラ、コンサータ、インチュニブなどADHD(注意欠陥障害、多動性障害)の治療薬として主に使用されていました。

考えられる代替成分
  • ブブロピオン
    ブブロピオンは、脳神経に働きかける成分です。
  • チロシン
    神経伝達物質であるドーパミンの材料となるアミノ酸で、集中力が増進します。また、覚醒感や抗うつ作用も見込まれます。

アドラフィニル

アドラフィニルは、モダフィニルの前駆物質(モダフィニルになる前の物質)で精神刺激薬としての役割をもつ成分です。
体内でこのアドラフィニルを摂り込むと、モダフィニルの濃度が増加します。

どんな症状に使われる薬か?
ナルコレプシー症の治療や集中力向上、覚醒を促す薬として主に使用されていました。

考えられる代替成分
  • モダフィニル
    モダフィニルは精神刺激薬のひとつで覚醒を維持する作用がある成分です。副作用も軽度なレベルのものなので問題はないといえます。
  • チロシン
    神経伝達物質であるドーパミンの材料となるアミノ酸で、集中力が増進します。

アニラセタム

アニラセタムは、アセチルコリンという脳内神経に刺激を伝える物質の放出を促して、神経系への刺激を良くし脳内機能を高めてくれる作用を持つ成分です。

どんな症状に使われる薬か?
Referanなど老人性認知症の進行を遅らせたり軽減する治療薬として主に使用されてきました。

考えられる代替成分
  • コリン
    コリンは、脳や循環器系の機能と細胞を修復するのに重要な役割を持っています。
  • ギンコビロバ
    脳内血流改善や記憶力増進に作用するテルペノイドの一種でイチョウの葉に含まれているものです。

エチラセタム

エチラセタムは、ラセタム系のスマートドラッグです。

どんな症状に使われる薬か?
イーケプラなどのてんかんの部分発作治療として主に使用されていました。

考えられる代替成分
  • コリン
    コリンは、脳や循環器系の機能と細胞を修復するのに重要な役割を持っています。

オキシラセタム

オキシラセタムは、アセチルコリンという神経伝達物質の分泌を促す作用を持つ成分のことです。

どんな症状に使われる薬か?
思考能力や記憶力認知力を強化するスマートドラッグとして主に使用されていました。

考えられる代替成分
  • コリン
    コリンは、脳や循環器系の機能と細胞を修復するのに重要な役割を持っています。

ジヒドロエルゴトキシンメシル酸塩

ジヒドロエルゴトキシンメシル酸塩は、緊張した末梢血管を緩め、血圧を下げる作用を持つ成分です。脳の新陳代謝が活発化して血液の流れを良くする効果があります。

どんな症状に使われる薬か?
ヒデルギンなど脳出血の後遺症や脳梗塞の治療薬として主に使用されていました。

考えられる代替成分
  • コリン
    コリンは、脳や循環器系の機能と細胞を修復するのに重要な役割を持っています。
  • ギンコビロバ
    脳内血流改善や記憶力増進に作用するテルペノイドの一種でイチョウの葉に含まれているものです。

ソマトロピン(遺伝子組換え)

ソマトロピンは、成長に影響を与えるヒト成長ホルモンです。

どんな症状に使われる薬か?
体の様々な機能を成長させ維持するのに必要とされ、IGF-1(インスリン様成長因子)と呼ばれる成長に多大な影響を与えるホルモンを生み出す薬として主に使用されてきました。(※骨の異常や低身長、筋力低下などの症状改善に効果があります。)

規制後に考えられる代替成分
  • サンド
    サンドは、別名オキサンドロロン(非ステロイドアナボリックホルモン)とも呼ばれています。
  • コリン
    コリンは、脳や循環器系の機能と細胞を修復するのに重要な役割を持っています。

チアネプチン

チアネプチンは、抗不安、抗ストレス作用のある成分です。

どんな症状に使われる薬か?
スタブロンなど不安や恐怖などのうつ症状の改善薬として主に使用されていました。

考えられる代替成分
  • ミルナシプラン塩酸塩
    ミルナシプラン塩酸塩はノルアドレナリンとセロトニンの阻害成分でうつ症状や不安感に作用します。
  • アミトリプチリン
    アミトリプチリンは、抑うつの症状を緩和する働きのある成分です。
  • コリン
    コリンは、脳や循環器系の機能と細胞を修復するのに重要な役割を持っています。

デヒドロエピアンドロステロン

デヒドロエピアンドロステロンは、男性ホルモン(テストステロン)や女性ホルモン(エストロゲン)などの性ホルモンに変化する若返りのホルモン成分のことです。

どんな症状に使われる薬か?
ディーエッチイーエー25mgなど抗老化防止の薬として主に使用されていました。

考えられる代替成分
  • コリン
    コリンは、脳や循環器系の機能と細胞を修復するのに重要な役割を持っています。
  • 7-keto
    7-ketoはディーエイチイーエーの改良型と呼ばれているもので、体の中で作られる物質のことです。新陳代謝が活性化するのでダイエット効果もあり、免疫力向上の作用で、加齢の方が摂取すると老化防止効果があります。また、副作用も殆どないので優れているといえます。

ニセルゴリン

ニセルゴリンは脳の代謝を活発にして脳の血の流れを良くすることで、脳内エネルギーの代謝を改善する働きを持つ成分です。

どんな症状に使われる薬か?
サーミオンなど脳梗塞の後遺症で慢性の脳循環障害になった方の意欲の低下改善の薬として主に使用されていました。

考えられる代替成分
  • コリン
    コリンは、脳や循環器系の機能と細胞を修復するのに重要な役割を持っています。
  • ギンコビロバ
    脳内血流改善や記憶力増進に作用するテルペノイドの一種でイチョウの葉に含まれているものです。

ニモジピン

ニモジピンは、血液量の循環を増やして血圧を下げつつ、脳内の血流状況を改善する働きを持つ成分です。

どんな症状に使われる薬か?
ニモトップなど狭心症、高血圧、脳虚血の治療の症状を治療する薬として主に使用されていました。

考えられる代替成分
  • ギンコビロバ
    脳内血流改善や記憶力増進に作用するテルペノイドの一種でイチョウの葉に含まれているものです。

ネフィラセタム

ネフィラセタムはラセタム系のヌートロピックで、神経保護作用があると考えられれており、記憶障害を引き起こす広範囲の物質に対して、抗健忘効果が期待できる成分です。

どんな症状に使われる薬か?
ネフィラセタムは、注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療薬や脳卒中後の患者に対して、無気力の改善の治療に効果的として使用されていました。

考えられる代替成分
  • コリン
    コリンは、脳や循環器系の機能と細胞を修復するのに重要な役割を持っています。
  • ギンコビロバ
    脳内血流改善や記憶力増進に作用するテルペノイドの一種でイチョウの葉に含まれているものです。

ビンポセチン

ビンポセチンは、血管拡張をして血液の粘性を低くすることで脳内の血流量を増加させる働きを持つ成分です。

どんな症状に使われる薬か?
脳への血流や酸素、グルコースの利用が増え、低酸素となった脳への耐性が改善されて血管拡張が促されるので、低酸素症を治療する薬として主に使用されていました。

考えられる代替成分
  • コリン
    コリンは、脳や循環器系の機能と細胞を修復するのに重要な役割を持っています。
  • ギンコビロバ
    脳内血流改善や記憶力増進に作用するテルペノイドの一種でイチョウの葉に含まれているものです。

ピラセタム

ピラセタムは、ホルモン物質や脳の神経伝達物質の供給を増やす働きのある成分で、認知機能の向上を図る効果があります。

どんな症状に使われる薬か?
アルコール中毒治療や失読症の児童の学習支援、中高年者の認知機能改善の症状の治療薬として幅広く使用されていました。

考えられる代替成分
  • ギンコビロバ
    脳内血流改善や記憶力増進に作用するテルペノイドの一種でイチョウの葉に含まれているものです。

フロセミド

フロセミドは、体内へ速やかに吸収されて腎臓や肝臓以外の組織に殆ど広がらずに強い利尿作用を促し、全身のむくみを改善する働きのある成分のことです。

どんな症状に使われる薬か?
ラシックス、フレディクスなど、抗血圧剤として悪性高血圧や腎性浮腫、月経前緊張症の症状を治療する薬として使用されていました。

考えられる代替成分
  • トラセミド
    トラセミドは、腎臓にある尿細管でナトリウムが再度取り込まれることを抑え、水分と共にナトリウムを尿として出すことで、むくみを改善して浮腫を改善するループ利尿薬です。
  • ヒドロクロロチアジド
    ヒドロクロロチアジドは、チアシド系利尿薬です。トラセミド同様、腎臓にある尿細管でナトリウムが再度取り込まれることを抑え、水分と共にナトリウムを尿として出すことで、むくみを改善する効果があります。

ブロモクリプチンメシル酸塩

ブロモクリプチンメシル酸塩は、脳内のドーパミン受容体に働きかけることで、ドーパミンの活性化を図り症状を和らげる効果のある成分のことです。

どんな症状に使われる薬か?
パーロデルなどパーキンソン病や下垂体性巨人症、結成排卵障害などの治療薬として使用されていました。

考えられる代替成分
  • カベルゴリン
    カベルゴリンは、ドーパミンが不足したことによるパーキンソン病の症状を改善する成分です。
  • コリン
    コリンは、脳や循環器系の機能と細胞を修復するのに重要な役割を持っています。

プラミラセタム

プラミラセタムはラセタム系の化合物の一種で薬の成分です。ホルモン物質や脳の神経伝達物質の供給を増やす働きで、認知機能の向上を図る効果があります。

どんな症状に使われる薬か?
抗血圧剤として悪性高血圧や腎性浮腫、月経前緊張症の症状を治療する薬として使用されていました。

考えられる代替成分
  • コリン
    コリンは、脳や循環器系の機能と細胞を修復するのに重要な役割を持っています。

プレグネノロン

プレグネノロンは、気分の波を調整する働きのある、神経細胞の成長に影響を与える脳内神経ホルモン生成の鍵となる物質成分です。

どんな症状に使われる薬か?
認知症のリスクを軽くしたり、体内のホルモンを正常レベルに維持したり、記憶力を改善する薬として使用されていました。

考えられる代替成分
  • コリン
    コリンは、脳や循環器系の機能と細胞を修復するのに重要な役割を持っています。
  • 7-keto
    7-ketoはディーエイチイーエーの改良型と呼ばれているもので、体の中で作られる物質のことです。新陳代謝が活性化するのでダイエット効果もあり、免疫力向上の作用で、加齢の方が摂取すると老化防止効果があります。また、副作用も殆どないので優れているといえます。

プロカイン塩酸塩(外用剤を除く)

プロカイン塩酸塩は、エイジングケアを細胞レベルで行って、細胞と体の健康を維持する化合成分です。

どんな症状に使われる薬か?
ストレスでダメージを負った細胞に働きかけ、慢性的なストレスを減らす薬として使用されていました。

考えられる代替成分
  • コリン
    コリンは、脳や循環器系の機能と細胞を修復するのに重要な役割を持っています。

プロプラノロール塩酸塩

プロプラノロール塩酸塩は、β受容体を遮断する働きにより血圧を下げ、心拍数を抑える効果のある成分です。

どんな症状に使われる薬か?
インデラルなど狭心症の発作を予防したり、緊張からくる激しい動機を抑える治療薬として使用されていました。

考えられる代替成分
  • メトロプロロール
    メトプロロールは、心臓が過剰に働くのを抑えて狭心症の発作が起こる前に予防し、脈拍の乱れを正常にする成分です。
  • コリン
    コリンは、脳や循環器系の機能と細胞を修復するのに重要な役割を持っています。

レベチラセタム

レベチラセタムは、脳のシナプス小胞タンパク2Aという神経伝達物質の放出を調整する部位と特別に結びつき、抗てんかん作用を果たす成分です。また脳神経の興奮を抑える作用もあります。

どんな症状に使われる薬か?
イーケプラなどてんかんの治療薬として使用されていました。

考えられる代替成分
  • ラモトリギン
    ラモトリギンは、全般発作と部分発作に作用する抗てんかん薬の成分です。
  • ギンコビロバ
    脳内血流改善や記憶力増進に作用するテルペノイドの一種でイチョウの葉に含まれているものです。

タンニン酸バソプレシン

パゾプレシンは利尿を抑えるホルモンのことで、排尿の回数を抑える効果のある成分です。

どんな症状に使われる薬か?
大量の尿が排出される、夜尿症、中枢性尿崩症などの治療薬として主に使用されていました。

ナドロール

ナドロールは心拍を抑えて心臓を休ませてあげる効果のある成分で、心拍を抑える結果、血圧を下げます。

どんな症状に使われる薬か?
ナディックやナドロールなど狭心症や不整脈の治療に主に使用されていました。

デスモプレシン酢酸塩水和物

デスモプレシン酢酸塩水和物は、中枢性尿崩症の治療薬として使用されていました。

以上、今回は2019年1月1日から新たに規制されたスマートドラッグについて紹介しました。

代替成分として考えられる成分も、正しい用法・用量を守って使用しましょう。
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